4/15 トラフシジミ、春の山野草

 寒くて曇天・雨天の週末から一転、春の陽射しで暖かくなったこの日、じっとしていられなくなり午後から出かけてみました。
 行き先は近くの山。
 車で上っていくと、白いチョウの姿が。
ツマキチョウ ♀
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 気温が上がりすぎたのか全くとまることなく消えていきました。仕方なく飛翔写真を試みましたが、私の腕ではこの程度。
 その後も何頭か見ましたが、証拠写真すら撮れず。
 
 おっ!と思ったのはこれ。
 
ゴヨウアケビ
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 アケビと同じように5枚の小葉を持ちますが、違うのはアケビが全縁なのに対してわずかにきょ歯が見られ、やや波打ちます。
 この正体は、アケビとミツバアケビの雑種だそうな。花の色もミツバアケビほど濃くなく、アケビよりは濃い、中間的な色でした。果たしてどんな実をつけるのか興味深いところですが、残念ながら雌花を見つけることができませんでした。
 
 山頂に到着すると、木々の芽吹きは遅く、期待していた新緑にはほど遠く、標高差700mで季節の進みがこんなに違うものかと実感しました。
 見晴らしの良い木の上でウグイスが拙いさえずりを聞かせてくれました。
 
ウグイス
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 まだまだ練習が必要だぞ~!
 
 山頂ではテリ張りするチョウがいました。
ヒオドシチョウ
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 見ていて気の毒なくらい、ボロボロでした。
 
 これ以外には期待していたチョウの姿が見られず、登山道沿いを探索。
 日当たりの良い開けた谷筋にはこんな花がありました。
 
 まだ咲き始めでしたが、地元で出会えるとは思ってなかっただけに、大感激。
ヒゴスミレ
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 白い清楚な花を咲かせていました。
トウゴクサバノオ
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 うす黄色の小さな花。葉が紫褐色を帯びていて目立たず、初めは全く気づきませんでした。
 
ユリワサビ
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 初めて見ましたが、思っていたよりも小さな花でした。
 
ヨゴレネコノメ
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 残念ながらすでに花が終わっていたので、特徴的な赤い葯は見られなかったのですが、よく見ると身開葯に終わった赤っぽい葯の残骸がありましたので、間違いないかと。
 
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 こちらはちょうど満開状態。
 これも正体を調べるのに苦労しましたが、葉の形や葉柄の長さ、その他からツルネコノメソウかと。
 
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 ヤマエンゴサクを期待したんですが、苞葉にきょ歯がなかったのでジロボウですね。
 
 再び登り返して山頂に向かう途中。面白い虫がいました。
 
キシタトゲシリアゲ
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 初めて見た虫で特徴的なオレンジ色の吻などじっくり撮りたかったんですが、意外に敏感でこんな写真しか撮れませんでした。
 
 全ぽいにチラチラ飛ぶ、ルリシジミより濃く見えるチョウが飛んでいるのが見えました。慌てて追いかけると笹の中にとまったように見えました。そっと近づくと、そこにいたのは…
 
トラフシジミ 春型
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 今年の初見、初撮りです。
 逆光に縁毛が青く輝きました。
 
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 羽化してさほど経ってないようで、きれいな個体でした。
 
 山頂に戻ると、鳥屋さんがお一人。話しかけるとイスカ狙いとのことでしたが、通過するばかりでとまってくれなかったそうな。
 
 お別れして車に戻り、山を下り始めてところで何気なく車を停め、辺りを見回していると、少し離れた樹に1羽の鳥が止まりました。
 
イスカ ♂
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 証拠写真程度にしか撮れませんでしたが、私にとっては初見・初撮りとなったのでした。
 
 晴れ間に誘われた思いつきの行動で、狙いのチョウには会えませんでしたが、その他のささやかな成果に恵まれた午後のひとときでした。
 なお、狙いのチョウとはギフチョウではありません。正体を明かすと「なんだ~、普通種やん!」と言われそうなので、あえて伏せておくことにします。
 
 おしまいです。