5/31 信州遠征、初夏の渓で

 今日は前々から楽しみにしていた信州遠征。それも難関と思われる高山のオレンジ色に挑戦です。
 このチョウには強いあこがれを持っていました。撮影するにはハードな登山と雪解け水の冷たい渓を渡るという、高いハードルがあるということで、今までは挑戦するのを躊躇していたのでした。でも新たな情報とma23さんのありがたいお誘いもあって、この日の挑戦と相成りました。
 
 さて、前日夜に出発、真夜中にポイント近くに到着後、仮眠。朝、目覚めると実に良い天気。雪山が間近にくっきりと、青空をバックに浮かび上がります。しかし、寒い!高標高地をなめておりました(^^ゞ。カレンダーでは初夏なのでこんなタイトルにしましたが、「春の渓で」に訂正する必要がありそうな…事実、コツバメが飛んでいました(笑)。
 
 辺りに日が差してくるのを待って、いよいよ行動開始、ポイントへと向かいます。ところが歩き出して数分もたたないうちに、薄黄色に見える小さなチョウが飛んでいるのが目に入りました。初めてのクモマツマキチョウとの対面は、突然やってきました。
 見失ってはなるものかと追いかけますが、全く止まる気配なく、追跡不可能なところへと飛んでいってしまいました。なかなか止まらないとは話に聞いていましたが、まさにそのとおり。もしかして、すでに温度が上がっているので止まらないのかも、なんて不安が広がりました。
 
 気を取り直し、ポイントへと足を進めます。着いたときはな~んもいない。しばらくすると、白いチョウが現れたので追いかけるとスジグロシロチョウ。次に黄色っぽいのが現れたので追いかけるとモンキチョウ。こんなとこにもいるんだぁ。でもこれらが現れるということは、クモマツマキチョウが現れるのも時間の問題と、胸が高まります。
 
 そして、ついに…小さめの白いチョウが。「とまれ、とまれ~」と念を送ると(決してそんな能力はありません、ただ祈っただけ(^^ゞ)ついにとまってくれました。
 
クモマツマキチョウ ♀
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 あこがれのオレンジではありませんが、あこがれの白との対面を果たすことができました。
 後翅裏の緑がかった大理石模様、それに先が丸い前翅。すごくかわいいです。
 
 その後、少し飛んではとまり、を繰り返し、スミレでの吸蜜シーンを見せてくれました。
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 この後、二手に別れて探索していると、この辺りに詳しい方と出会い、ここで待てば確実と教えていただいたので、ma23さんにお知らせメールを送った直後、携帯が鳴りました。「交尾がおるで~!」
 
 これは一大事とばかり、必死でダッシュ。指さす先を見ると、いました!
 
クモマツマキチョウ 交尾
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 初挑戦でいきなり交尾が見られるなんて、まるで夢みたい。念のためほっぺをつねってみると、痛かった(笑)。
 
 その場に居合わせた方々と周りを取り囲み、ちょっとした撮影会の開幕でした。
 
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 バックがちょっとうるさいですが、贅沢は言えません(笑)。
 
 あまり周りで騒ぎすぎたのか、もっと続くと思っていた交尾が解け、いきなり♂が飛び去りました。あ~ぁ、残念~と目で追うと、その♂がカムバック。今度は求愛シーンの始まりです。
 
 ところが♀は今離れたばかりの♂に対して交尾拒否。
 
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 「今離れたばかりの旦那やろが!」とみんなで突っ込みを入れたのは言うまでもありません(笑) 。
 
 そうこうしているうちに至福の時が終了。
 
 一緒に撮影されてた方が、昨日産んだばかりの卵を見せてくれるというので、ヤマハタザオが生えている場所へと移動しました。
 そこでオレンジ色の卵を皆で見ていたとき。空飛ぶオレンジ色が現れ、そして吸蜜。思い描いていたシーンが目の前で再現されたのでした。
 
クモマツマキチョウ ♂
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 ほんと、きれいでかわいいチョウですね。
 
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 この写真には花の付け根にオレンジ色の卵が写っていました。
 
 
 しばらく待つうちに、今度は♀がやってきました。そして産卵。これも待ちに待ったシーンです。
 
クモマツマキチョウ ♀産卵
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 待ち時間も結構ありましたが、それを補って余りあるほどクモマツマキチョウを見ることができました。
 
 お昼を回り、クモマツマキチョウも回ってこなくなったのでそろそろ今日は撤収しようと、車へ戻りかけたそのとき。
 この日最後となる♂が現れたのでした。
 
クモマツマキチョウ ♂ スミレで吸蜜
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 朝の出遅れたかという心配はどこへやら、終わってみればすばらしいシーンの連続で、二日分の目標をわずか半日あまりで達成できた、そんな幸せな日となったのでした。強いて言えば、♂の開翅が撮れなかったことは残念でしたが、まぁ、明日もあることだし、ということで、もうひとつのターゲットを目指し、移動を開始したのでした。
 
 つづく…