8/9 ルーミスシジミ
連日の猛暑、外に出るのも嫌になりますが、こんな時こそチャンス!なチョウもいます。それは、ずばり!ルーミスシジミ。
実は昨年も挑戦したんですが、昨年の夏といえば天候不順で猛暑と呼べる日が少なく、惨敗に終わっています。それどころか生まれて初めてヤマビルのお土産をもらったりで散々だっただけに、今年は期待が大きいです。
午前8時過ぎにポイント近くに到着、車を止めて身支度を調え、ポイントに分け入りました。もちろんヤマビル対策にトレッキングシューズや靴下、ズボンに虫除けスプレーをたっぷり、これでもかという位スプレーしたのは言うまでもありません。
歩き始めはまだ谷間には日が差さず、風も適度に吹いて涼しく歩くのも快調。とりあえず一番奥まで行ってみました。
林の中の暗がりにいたのは…
コジャノメ
目玉模様がくっきり。新鮮な個体のようです。
イカリモンガ
敏感でなかなか近寄らせて貰えませんでした。チョウの仲間と呼んでもおかしくないくらい綺麗です。
コミスジ
湧き水がしみ出す林道では、アゲハ類の吸水が見られます。
残念ながらこの日見られたのはこの子だけでした。
ヒメサナエ ♂
先日、地元の某谷で初めて見たのですが、このポイントにもいました。つい先日まで見たこともなかったので、自分では希少種だと思っていたのですが、そうでもなさそうです。改めてレッドデータブックを検索すると、和歌山県での記載はありませんでした。ほっとすると同時に拍子抜け。
渓流にいたのは…
ミヤマカワトンボ ♀
腹部は地味な褐色ですが、翅の白い縁紋が良いアクセントになってます。
ミヤマカワトンボ ♂
腹部はメタリックグリーンに光って綺麗です。
遊んでいるうちに時間が経過し、谷間にも陽が差し始めました。頃合いは良し、ということで早速探索開始。
日陰を重点的に探していくのが見つけるコツですが、ついつい日が当たって明るいところを探している自分がいて苦笑いしてみたり。陽射しが強くて明暗差が激しいため、目が疲れることこの上なし。
歩いていると小さな蛾が飛び出すので紛らわしいし。この飛び方はチョウだ、とあわてて追いかけるとムラサキシジミだったり。そういえば濃い茶色に見えたよな。
ムラサキシジミ
そのうち、明らかにチョウっぽい飛び方で白っぽく見あるものの、小さくて素早く飛ぶのが登場、「あんなに飛ぶのが早かったっけ?」と半ば疑いつつも追いかけます。ところが薄暗い日陰ではすぐに見失いそうになります。それでも何とか見失わずに止まったところを確認できました。
慎重にそっと近づくと、狙いどおり!見失わなくて良かったぁ、とほっとすると同時に逃げられないかと緊張感が高まる瞬間です。
ルーミスシジミ 1
幸いなことにおとなしくモデルになって貰えましたが、残念ながら少し遠かったのでトントン棒で枝を揺すってやると、あっという間に飛び去ってしまいました。今度は目が追いつかずロスト。機嫌損ねちゃったのね。
気を取り直して歩くと再び飛び出しがありました。今度は自信を持って追いかけます。すると、目の高さの草に止まりました。
ルーミスシジミ 2
ところがこの子は案外敏感で、そっと近づこうとすると飛び立ち、今度は少し離れた葉の上に止まったためとりあえずシャッターを切り、画像を確認しようと目を離した隙にどこかへと消えてしまったのでした。
いつもは2頭も撮れれば御の字、意気揚々と引き上げるところですが、この日は何となくまだ出そうな予感。もう一往復することに決めました。歩き始めの場所まで戻りながら探しますが、出るのは蛾とムラサキシジミばかり。これは失敗だったかな?と弱気になりつつ折り返してくると、見覚えのある飛び方が。
陽射しがさらに強くなったので日陰へ避難してきたんでしょうか。ところがこちらも日陰とは言いながら所々日が入ってまだらになっていて、おまけに明暗差が激しく、目で追うのが一苦労。
幸いすぐに止まってくれたので何とか見失わずに済みました。
ルーミスシジミ 3
比較的近くに止まってくれたものの、今度は足場が悪く、横方向からのマクロ撮影は不可能。しばらくすぐ近くでがさがさしましたが、飛び立つ気配がなかったので、つい悪戯心が芽生えたのでした。それは…こんな暑いさなかに、おまけに日を避けて日陰にいるチョウが開翅するわけがないとは思いながら、LEDライトを思いっきり近づけてみたのでした。
すると、少し向きを変え翅をスリスリし始めたので「おっ!」と期待を高めた瞬間、樹上高く飛び去ったのでした。
まぁ、そんなうまくいくわけがないわな…。
ほぼ予想どおりの実験結果に満足しつつ(?)再び歩き始めると、さらにもう1頭。
ルーミスシジミ 4
こんどは悪戯心を起こさず慎重に。幸い足場も良いのでラッキーです。
満足しつつ車に向かって歩いていると、空には雲が広がりなにやら妖しい雰囲気になってきました。すぐにも降りそうな雲ではなかったのですが、着替えを持ってきてないし、ということで撤収を決めました。
自宅に向かった車を走らせていると、トンネルを抜けたとたん前が見えないほどの土砂降りに遭遇。次のトンネルを抜けると一転して道路には濡れた跡もない。夕立って、こういうもんなんだと実感できた現象でした。
そうそう、今回、ヤマビルには出会わずに済みました。もしかして気づかなかっただけかも知れませんが、そうだとすると虫除けスプレーたっぷり作戦が功を奏したんでしょう。
おしまいです。