7/18 ダブル・ミヤマのリベンジなるか?

 外が明るくなりいったんは目覚めたものの、前日の疲れもあって動く気力が湧いてこない。青空であるはずの空も雲がかかって日差しが見えないしで、もう少しと思いつつウトウト。

 そんなわけで少々寝坊気味で行動開始となりました。

 今日はどうしようか、前日のポイントまで足を伸ばしてみるか、それともセンターで教わったポイントにするか、ずいぶん悩んだんですが、前日のポイント付近には雲が湧き上がっているし、今から急いでも着いた頃には雲の中、ということもあり得るなと思い、教わったポイントへ行くことにしました。

 まぁ、足に疲れが残っていたせいもあるんですが…歳は取りたくないものです(^^ゞ。

 出発した頃はまだ雲が広がり日差しもなかったんですが、ポイントに着く頃には日が差してきました。これは暑くなりそう、早い時間に勝負を決めなければなりません。

 気温が上がるにつれ、チョウが姿を現し始めました。

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 ベッタリ翅を広げて朝の日向ぼっこ。


コヒョウモン
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 93種目。
 フウロの花で吸蜜を始めました。花はアサマフウロかな?

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 ちょっと込み入った草むらでも。こちらの花はハクサンフウロ?よく解りません。



 グライダーのような特長ある飛び方のチョウが現れました。

フタスジチョウ
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 94種目。

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 これも私にとっては信州ならではのチョウです。地元ではコミスジが定番になります。



 目の前に岩に止まって日光浴を始めたオレンジ色のチョウ。

ヒオドシチョウ
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 場所柄、エルタテハだ!と思い込んでしまったのは秘密です(恥)。
 あとでじっくり写真を確認してガッカリ。



 さて、肝心のミヤマシロチョウ。

 初めて飛んでいるのを見たとき、「あれ?何で今頃ウスバシロチョウがいるの?」「あっ、あれがミヤマシロチョウやん!」と自分の中で漫才のようなやりとりがありました(笑)。

 慌てて追いかけますが、止まる気配すら見せずロスト。

 2回目は余裕を持って結構長く追いかけたのですが、これも入っていけないブッシュの向こうへと消えていったのでした。

 よし、これでいることはわかったし。ということで長期戦の構えになりつつもその後は一向に現れる気配なし。

 少し弱気になりつつウロウロしていると、私と同じレンズを装着したカメラを持った方がお見えになりました。
 お話を伺うと、この少し上にミヤマモンキチョウのポイントがあって、そこへ向かわれる途中、とのことだったので、お願いして同行させていただくことにしました。

 道々お話を伺いつつ、昨日に引き続き山登りと相成りました。もう少し、もう少し登ればポイントと言いつつも、それらしい場所に出ません。時折、黄色いチョウが止まることなく斜面の樹を越えて登っていきます。「あれがきっとミヤマモンキ」と言いつつ、ヒイコラ、ヒイコラ。結局、頂上直下の草原まで登ってしまったのでした。

 すると草原を渡ってきた黄色いチョウが少し離れたところで吸蜜を始めました。

 必死で走って近寄って撮影。
 今までヒイヒイ言ってたのに、チョウの姿を見るとこんな元気が残っていたかと思うと、自分でおかしくなりました(笑)。

 そんな必死にもかかわらず、撮影した写真を確認すると、そこに写っていたのは…

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 ガッカリ!全身の力が抜けました(^^ゞ。

 ただのモンキチョウ、略してタダノモンキ。こんなところまで登ってくるとは…私たちを追い越すように斜面を登っていったのはこいつらだったのか!

 そういえば何年か前、北アルプスの標高の高い稜線で、ミヤマモンキチョウだと思って撮った写真の中にモンキチョウが混ざっていたことがありました。何もこんなところまで登ってこなくても、と思うのは私だけ?

 ガッカリしていると、今度は白いチョウが飛んできました。

 今度こそはと必死で近寄り撮影。草かぶりでしたが今度は間違いなく。

ミヤマモンキチョウ ♀
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 95種目。
 少し離れたところにおられた、ご一緒させていただいたNさんに声をかけましたが、こちらへ来られる途中で飛んで行ってしまいました。

 Nさんはここで待ってみる、とのことだったので、その場に荷物を置き、カメラだけ持って目の前に見える山頂へと登っていきました、だって、折角ここまで登ったんですからねぇ。

 山頂に立って見渡すと、昨日行ったポイントは雲に覆われていました。心の中でガッツポーズしたのは言うまでもありません(笑)。

 ふと見ると白いチョウが飛んできて吸蜜を始めました。

 またまたカメラを抱えてダッシュ

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 背景がうるさい写真ですが、さっきよりは綺麗に撮れました。

 Nさんがおられる草原まで戻ってみると、この間チャンスはなかったそうな。

 そこでしばらく待ってみましたが、山頂付近は雲が広がりだし、日差しもなくなってしまいました。先ほどまで遠くで飛んでいたチョウも全く飛ばなくなったのでした。

 Nさんは「目撃だけで終わってしまった…折角なので別のポイントに向かう」とのことでしたので、再びご一緒させていただくことにしました。

 山道を下っていくと、少し前を歩いていたNさんの頭上を白いチョウが横切りました。 「あれはミヤマシロチョウに間違いない」とNさんにストップをかけ、目で追っていると、一度は遠くまで飛んでいったそのチョウが戻ってきて、数m先のアザミに止まって吸蜜を始めたのでした。

ミヤマシロチョウ
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 96種目。
 幸い付近には他に登山者がいなかったので、Nさんと一緒に撮影開始。

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 何枚かその場から撮ったあと、チョウが花の向こうへ回り込んだのでこちらも回り込みつつ近寄ると、ピントが合わない!

 最短撮影距離よりは遠い位置だったので、合わないはずがないのにと少々焦りつつ、確認していると、レンズのスイッチが3m以上の場所にピントが合う位置になっていることに気付いたのでした。いつの間にかスイッチが動いていたようです。慌ててスイッチを直し、カメラを構え直した瞬間、飛び立ってしまいました。

 色々設定を変えて撮ってみようと思ったのにガッカリです。

 まぁ、ちょっとしたアクシデントはあったものの、目的のチョウ2種類を撮ることができたのはムチャ・ラッキーでした。

 Nさんも「今日は諦めていたのに大逆転」と満足そう。「あとはミヤマモンキ」と言うことで、先を急ぎました。

 すると途中で、登ってこられるIさんとバッタリ。Iさんには7月2日にヒサマツミドリシジミでお世話になったところだったので、あまりの偶然にビックリ。しばし立ち話した後別れましたが、その5日後にあんな事になろうとは…。

 突然飛び込んできたIさんの訃報に言葉も出ませんでした。しかも私も毎年のように行くあの場所で…これからはそこに行く度にIさんのことを思い出すことになります。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。

 話を戻します。

 ミヤマモンキチョウのポイントに到着すると、早速チラチラ飛んでいるのを発見。停まるのを待って撮影開始です。ただ、このポイントは広すぎてなかなか近くまで来ないのが玉に瑕。

 それでも何とか♂♀とも撮影に成功しました。

ミヤマモンキチョウ ♂
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ミヤマモンキチョウ ♀
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 紅い縁取りが綺麗です。
 写真はそれぞれトリミングしております、念のため。


 ちょっと興味深かったのは、ミヤマモンキチョウモンキチョウが混ざっていたこと。それも♂ばかり。

 この日、ここでは何組かの求愛シーンを目撃しましたが、いずれもミヤマモンキの♀にタダノモンキが絡んでいるシーン。たまたま近くをミヤマモンキ♂が通りかかっても、なぜか知らんぷり。一体、どうなってるの?

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 不思議です。

 辺りにはたくさんのアキアカネがいました。

 その中で赤く染まった♀を発見。

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 ♀には赤くなるものと褐色のままのものがいるんですね。

 Nさんがそろそろ帰られると言うことで、私の車を停めていた駐車場まで乗せていっていただきました。

 Nさん、この度は本当にお世話になり、ありがとうございました。

 あそこでお目にかかっていなければ、今回の目的だったダブル・ミヤマには出会えていなかったかもしれません。ただただ感謝です。
  重ねてお礼申し上げます。

 Nさんと別れた後、本当なら前日のうちに行くつもりだった某所へと向かうのでありました。

 つづく…