8/8 ゴマシジミ再び、コヒオドシ
早朝目覚めると青空が広がり…と書きたいところですが、残念ながらそうは問屋は降ろさず。一夜の宿となった道の駅は厚い雲が垂れ込めていました。
山を見るとこれも雲の中。
翌日のことを考えると滞在できるのはお昼まで。
どうしようかと考えたあげく、朝一の高標高地はすっぱりあきらめ、前日撮れなかったゴマの開翅を狙うことにしました。
ポイントに着き、まだ眠っている撮りやすい位置のゴマを探して歩きました。
ゴマシジミ
朝露が付いていましたが。ちょっと中途半端。
アカセセリも朝露に濡れていました。
アカセセリ
しかし…上空は厚い雲に覆われたまま。すでに日が出ている時間なのに、太陽が出ているであろう方角を見ても、雲の色は同じ。
これは厳しいかなと思いつつ、天気予報を信じて持久戦に入りました。だって天気予報はお日様マークがずらりと並んでいましたから。
やがて向かいの山の一部が明るくなり、徐々にその範囲が広がってきました。が、そのスピードの遅いことと言ったら…亀よりも遅いぞ。いや、こんなことを書いたら亀に失礼か。
途中であきらめて移動しようかと弱気になりながらも、樹序に日の当たる範囲が近づいてくるのを見てじっと我慢。
しびれを切らし始めた頃、ついにそのときが。ゴマに日が差したのでした。
とたんにゴマは翅をもぞもぞし始め、開くと両方の翅に光が当たる方向へと位置を変えたのです。これは狙いどおりの写真が撮れる、もらったも同然だ!と喜んだのもつかの間、一向に開翅の気配なく、翅もぴくりとも動かしません。
おかしいなぁと思って待っていると、いきなり飛び出し、さほど飛ぶことなく近くへ止まりました。そのときに見た翅の色はまさしく青ゴマ!
近づくとさらに飛んで畑の真ん中へ。これでは追いかけるわけにも行かず、涙をのんだのでした。
仕方なく、朝見つけておいた他のゴマを確認に行くと、ほとんどが飛び出した後。残っていたゴマもまったく開く気配を見せませんでした。
朝日を浴びてアカセセリは、開翅してくれたんですけどねぇ。
アカセセリ ♂
かなりスレていて、縁毛はほとんど残っていませんでした。
アカセセリ ♀
これはそこそこ綺麗でした。
ここで自分なりにゴマが開翅しなかった理由を考えたのですが、日の出から弱い光が当たり徐々に気温が上がってきたのなら、開いたんじゃないか。
この日のように、朝は厚い雲や霧に日差しが遮られて気温が低く、遅い時間になって太陽が雲から顔を出し、一気に気温が高くなると開かないんじゃないか。
こういう推理をしてみました。
事実、日が差したとたん汗が噴き出し、温度が上がったのが実感できましたから。
思いもよらず時間を食ってしまったので、ゴマ、特に青ゴマの開翅写真という大きな宿題を抱えて、移動したのでした。
移動してきた先は高標高地。しかしここもすでに朝の雲が切れ、真夏の日差しが燦々と降り注ぎ、歩いていると汗が噴き出してきました。でも、さすがに低地と違って吹く風に涼しさは感じられ、木陰に入るとほっと一息つけるものの、炎天下はやっぱり灼熱地帯(ちょっと大げさか)。
そんな中、ポイントと思われる場所でしばらく粘ってみましたが、密かな目標だったチョウは姿を見せず。
コヒョウモン
現れたのは、スレたコヒョウモンだけでした。
さらに進んでいくと、オレンジのタテハ類が止まっていました 。
コヒオドシ
欲を言えば花で吸蜜するシーンを撮りたかったなぁ。
何か周りが騒がしくなったと思ったら、猿の群れが現れました。
警戒してか、ある程度の距離を置いて近寄っては来ず、こちらから近寄ると逃げる、といった状況でした。さすがに赤ん坊ザルを抱いていた母ザルは警戒心が強く、カメラを向けると慌てて繁みの中へ飛び込んでしまいましたが、全体的には妙に人慣れしている感じがかえって不気味でした。
一瞬、おぉ!と興奮したのは遠くで吸蜜していたクモマベニヒカゲ。望遠でとりあえず撮ってみて拡大したら、クモマベニらしかったので、興奮して思わず斜面へ飛び込んだのですが、やっとたどり着いたときにはすでに姿なく。ちゃんと撮れていれば初見初撮りだったんですけどねぇ。
望遠で撮った写真は証拠写真にもなりゃしない、とてもお見せできるものではないボケボケで、削除してしまいました。従って初見初撮り記録は記録されませんでしたとさ。
あと見かけたものは、林縁の日陰でヒメキマダラヒカゲの吸蜜を見かけたくらい。
ヒメキマダラヒカゲ
帰路につきつつ途中でもう1カ所、草原に立ち寄ってみましたが、ボロのアカセセリがいたくらいで今回の遠征の締めくくりとなったのでした。
アカセセリ ♀
おしまいです。