7/20~21 高嶺の別天地へ高山蝶を求めて その1

 今回の、私にとってはある意味無謀ともいえる遠征にお誘いいただいたのは3週間前の但馬遠征でのこと。そのときは腰の持病もあり、日頃のフィールドワーク時の脚の状態も考えるととても二つ返事でお誘いに乗るわけにはいかないと思い、一度はお断りしたのでした。

 しかし帰宅後、もしかしたらこれが最後のチャンスになるかも、などと考えていると行ってみたいという気持ちが大きくなってきました。嫁さん(かつて「山ガール」の端くれでした。といっても当時はそんな言葉はなかったですが)に相談すると「行ってきたら?今度いつ行けるかわかれへんやろ?登れるでぇ」と力強く?背中を押してくれたので、同行させていただくことになりました。「迷惑かけるかもしれへんで」と言いつつ…。

 メンバーは『週末がさがさ団』Dodo-boyさん、『蝶にあそぶ』ma23さん、そして私の3人。夜中に登山口に到着、すると駐車場はすでに8割方埋まっている状態。早く出てきて良かったといいつつ仮眠。2時間ほど寝たと思ったら、まだ薄暗い中、周りの車では行動を開始する音が響き始め、寝ていられない状態に。仕方なくこちらも行動開始、不安を抱えた山登り開始です。さぁ、行き着く先は…天国か、それとも…
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 初めは比較的なだらかな登山道、若い2人に何とかついていきますが途中で見つけた花などを撮ってるうちに次第に差が開き、段差が大きくなり傾斜も急になってくるとお2人の姿は見えなくなってしまいました。それでも何度か待っていただいて合流しましたが、これでは予定どおりの行程がこなせないということで、先行していただき目的地で合流することにしました。
花が終わったギンリョウソウ
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オオヤマレンゲ
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 こう決めてしまえば、待ってもらう必要も、追いつく必要もないということでマイペースで登れます。見つけた花などを撮りつつ…休憩するためのいい口実です。
 
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 もちろん、チョウも。
 
ヤマキマダラヒカゲ
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 その他密かに期待していたチョウは数回飛んでいるのを見ただけで、全く止まってはくれませんでした。
 
 結局、ヘロヘロになりつつ3時間余りの遅れで目的地に到着することができました。
 でもその景色のすばらしいことと言ったら!苦労して登ってきた甲斐があろうというものです。
 
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 ふと空を見上げれば、こんなすばらしい現象も。
 
環水平アーク
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 こんなのが見られるとは!大感激でした。

 さて、お2人はすでに活動開始、私は山小屋へ荷物を預け、ちょっと息を整えてから合流、探索開始。
 ほどなく今回の目標のひとつが現れました。
 
ミヤマモンキチョウ ♀
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 初めての高山蝶との出会いに感激です。
 はじめは産卵しているのかと思っていたのですが、よくよく見ると吸蜜をしていたのでした。何度か追いかけつつ撮影成功。

 こうなると、もうひとつの目標も早く見たくて探索を続けますがなかなか現れず、遠くをそれらしいのが飛ぶのを見たのみ。
 お2人は探索しつつ山頂を目指していきましたが、私にはその脚力も気力もなく、周辺を探索することにしました。お天気には恵まれていたのでのんびり座りつつ、山を眺めるのもいいものです(言い訳)。 神様はそんな私を気の毒に思ったのか、嬉しいお使いを寄越してくださいました。
ミヤマモンキチョウ ♂
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 ♀を探しながら飛んでいるようで、なかなか止まりませんが、一瞬だけモデルになってくれたのでした。
 
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 ピンぼけ・ブレブレながら飛び立つ瞬間、翅表も撮れました。これぞミヤマモンキチョウの証です。
 やがて雲が広がり、日も射さなくなってくると、チョウは全く飛ばなくなりました。
 
 ハイマツをぼんやり眺めていると、黄色いのが目にとまりました。
 
ミヤマモンキチョウ ♂
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 時間的に見て、この子はここで一晩過ごしそうな雰囲気でした。ちょうど山から下りてきたお2人にも声をかけ、場所を再確認してから私たちの今夜の寝床である山小屋へ入ったのでした。
 
 私が今日出会えなかったもうひとつの高山蝶に、明日こそ出会えるようにと祈りながら眠りについたのでした。
 
 つづく…